皮膚の医学―肌荒れからアトピー性皮膚炎まで (中公新書)は専門用語が多く、私には理解できなかった部分も多いが、できるだけ平易な言葉で説明されていて、また、著者自身の体験などのエピソードもおもしろく、よい本だった。
皮膚の病気にかかったことがある人や、その家族で、皮膚科の先生の言うことを何となく聞いていたので実はあまり自分の病気や皮膚のことを知らないという人は読んでみるとよいと思う。
アトピー関係の話は第八章にかかれているが、こちらも短い章ながらその他のアトピー本でおさえられていることがきちんとまとまっていて良かった。
アトピー性皮膚炎にはステロイドを利用した治療方法が必要としながら、きちんとステロイド皮膚症についても触れられ、未熟な皮膚科医により誤ったステロイドの処方がなされてしまったケースについても説明しているので信頼できる印象がある。
(他の本では、ステロイド皮膚症やリバウンドなどは杞憂とだけかかれているものもあって、確かに正しい治療が受けられていれば問題はないのだろうが、そういう症状に苦しんだ人の体験談もある中、単に心配ない、大丈夫といわれるのもまた不安があるので。)
ただ、やはりよく分からないのが、「ある程度強い」ステロイドを「長期間にわたり」使用しつづけたことで副作用が出たなどの表現である。
具体的にどのくらいの強さのものをどのくらい使用したのかがかかれていないと、長期間の尺度がまったく読めない素人としてはモヤモヤ感は残る。
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