2008年4月4日金曜日

アトピー本

家族にアトピーの人がいるのだが、それにしては私はこれまでアトピーに関して無関心過ぎた気がする。皮膚科の先生が言うことを守っていれば大丈夫なんじゃないかと言う程度のアドバイス(とは言えないですね、これは)しかできないのは情けないと思い、アトピーについての本を読んだ。

最初に読んだのが、恋するアトピー。登場人物や団体などは架空のものらしいが、内容は著者の実体験に基づいたノンフィクションらしい。たまたまブックオフで見つけ、買ってみたもの。

ステロイドへの不安、あまり説明もなくステロイドをどんどん処方する皮膚科医への不信感、ステロイドリバウンドの恐怖、脱ステロイドから民間療法へ進んで行く主人公の心理が、身近な人の心境と重なって読んでいてとにかく人ごとではなかった。

この本を読み終わり、ステロイドへの不信感が強まったものの、結局決定的な治療方法がなさそうな雰囲気を感じ、この本の主人公のように、まずは環境や食事を改善し、症状が出ないようにしておくことが大事なんだろうと考えた。

が、引き続き、竹原和彦氏の間違いだらけのアトピー治療 (新潮新書)アトピービジネス (文春新書)を読んで今度はそれと反対のことを言われ、また衝撃を受けた。

こちらの本ではアトピーはステロイドを正しく利用することにより治療できるものであるということが明らかになっているにもかかわらず、ステロイドを誤って使うことによる副作用や症状悪化の脅威を強調することによりステロイドを悪とし、ステロイドを止めさせ、変わりに科学的根拠がない治療法を高額で施して利益を上げるアトピービジネスなる市場が存在するということが説明されている。

そしてこちらの本では、恋するアトピーで主人公が脱ステロイド後に出会ういくつかの民間療法と同じものがアトピービジネスの実例として上げられている。

異なる立場から書かれた本を読んで戸惑ってしまうが、アトピー治療に関する見解は、竹原氏の本の内容の方が説得力は断然高く、納得も行くものである。

でもこれでは恋するアトピーの主人公はある意味アトピービジネスの被害者ということになってしまう。こんなひどいことはない。

あと、まだすっきりしないのは、ステロイドの副作用について。どのレベルのものをどれくらい使うとどういう副作用がでるのか、というあたり。竹原市の本では、外用薬では副作用の危険性はかなり低いというような印象だったが、どこまで使うとどうなるのかが分からないと、現状が大丈夫なのかが分からなくて不安も残る。
ただこの辺は、薬を処方している皮膚科のお医者さんにちゃんと説明してもらうのが重要なんだろうけど。

とにかくもう少しこの手の本を読んで全体を理解する必要がありそう。あと、民間療法でよくなるケースについて書かれた本は、あくまで一例ととらえておいた方が良さそうと感じた。ある民間療法で快方に向かう経験をした人が少しでも存在すれば、その療法について、「○○でアトピーが直った!」という本が書けてしまうということに注意する必要がありそうだと思う。

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内容的にはまったく関係ないが、このあたりは、お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)に書いてあった、自己流の方法でたまたま株で稼げた人が、「あなたもこの方法で稼げる」という本を書けてしまうという話に似ていると思った。

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